○東北町低入札価格調査制度運用規程

平成17年3月31日

訓令第33号

1 定義

(1) 「低入札価格調査制度」とは、競争入札による工事の請負契約の締結に際し、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の10第1項(第167条の13の規定により準用する場合を含む。)に規定する予定価格の制限の範囲内の価格をもって申込みをした者の当該申込みに係る価格によってはその者により当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認めるときにおいて、必要な調査を行い、当該結果に基づき落札者を決定する制度をいう。

(2) 「低入札価格調査基準価格」とは、競争入札による工事の請負契約の締結に際し、当該契約に関し前項の調査を行うかどうかの基準として設定した価格をいう。

2 対象工事

町が入札により発注する建設工事のうち予め定めたものとする。

3 調査すべき基準価格

地方自治法施行令第167条の10第1項に規定する「当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがある」及び「公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当である」場合の基準額は、設計金額のおおむね10分の7から10分の9の範囲とする。

4 予定価格書への基準価格の明記

基準価格を設定したときは、別紙1を参考に予定価格書に、その額を記載するものとする。なお、基準価格について事前公表は行わない。

5 指名業者への周知

低入札価格調査制度の対象となる建設工事の指名通知書には、「低入札価格調査制度対象工事」と明記する。

6 基準価格未満入札への対応

基準価格未満の入札があった場合、入札執行者は当該入札者に対し、その場で契約意思の確認を行うこと。この際、契約意思が確認された場合には、「落札者の決定を保留します。」と宣言し、「地方自治法施行令第167条の10第1項の規定により、落札者は後日決定し、通知する。」旨を告げて当該入札を終了すること。また、契約を辞退する旨の申出があった場合において、次順位者が基準価格未満の入札をしていたときは、同様の措置を講ずること。

7 調査の実施

担当工事課長等は、以下の規定に従い、当該低入札価格に合理的な理由があるかどうかを調査し、低入札価格調査委員会に調査内容を報告すること。

(1) 契約する意思が確認された場合は、入札終了後、当該入札者に対し、速やかに次により調査を行う旨を伝えること。

ア 調査をする調査項目表(別紙2―1)を配布し、速やかに調査項目について文書で回答を求めること。

イ 数値的判断基準として、当該入札価格の積算内訳書を速やかに提出させ、次の表の左欄に掲げる工事の費目ごとの金額を確認し、その金額が同表右欄に定める数値的判断基準を満たないときは、当該工事の内容に適合した履行がなされないと判断し、その旨を低入札価格調査委員会に報告する。また、数字的判断基準を満たさないときは、これ以降の調査を省略することができる。

工事の費目

数値的判断基準

直接工事費

発注者の設計額における直接工事費の75パーセント以上の金額であること。

共通仮設費

発注者の設計額における共通仮設費の70パーセント以上の金額であること。

現場管理費

発注者の設計額における現場管理費の70パーセント以上の金額であること。

一般管理費

発注者の設計額における一般管理費の30パーセント以上の金額であること。

ウ 調査対象者が調査対象予定工事を下請負させる場合は、当該工事における第1次下請予定者及びその契約予定金額を記載した書面(施工体制台帳の様式を参考に作成させる。)の提出を求めること。また、当該下請予定者からの確認書(別紙3)の提出を求めること。

(2) 各調査項目への回答内容について、以下の点に留意して調査すること。

ア その価格により入札した理由

当該入札価格の積算内訳について以下の調査を行い、当該入札価格で当該工事の安全で良質な施工が可能かを確認する。

(ア) 仕様及び数量

a 数量総括表に対応する積算内訳になっているか。

b 設計図書での要求事項を理解して見積りを行っているか。

c 指定の数量によって積算されているか。

(数量の指定のない場合は、業者の数量による。)

d 指定の工法によって施工することとしているか。

(工法指定がない場合は、その工法に安全性等の点で問題はないか。)

(イ) 資材単価、労務単価又は市場単価

資材単価、労務単価又は市場単価について、発注者の単価に比し相当程度低いと認められる場合は、当該単価の設定理由を記載した書類等の提出を求めるなど詳細な調査を行う。

(ウ) 安全対策

安全管理等の共通仮設費の計上内容について確認する。

(エ) 現場管理費

現場管理費の計上内容について確認する。

(オ) 一般管理費

一般管理費について、発注者の価格に比し相当程度低いと認められる場合は、当該価格の設定理由について確認を行う。

イ 手持工事の状況

手持工事の状況、配置予定技術者及び技術者配置状況について、以下の調査を行う。

(ア) 手持工事の状況

契約対象工事付近における手持工事及び契約対象工事に関連する手持工事の状況から間接費の削減が可能か。

(具体的には、営業損料、現場管理費等の削減が可能であるかどうか。)

(イ) 配置予定技術者及び技術者配置状況

a 工事予定箇所に関連する技術者(監理技術者等)について、配置予定を確認し、他の手持工事の状況との関係を確認する。

b 予定技術者について、名簿の提出を求め入札者との雇用関係の確認を健康保険証等の写しにより確認する。

ウ 当該工事場所と当該入札者の事務所、倉庫、資材置場及び他の工事現場等との地理的条件

内容について以下の調査を行う。

(ア) 監査業務及び資機材運搬・管理等において、地理的条件等をかんがみ、経費等の削減が可能かどうかを確認する。

(イ) 緊急時の対応等、安全管理に優位性があるかを確認する。

エ 手持資材の状況

手持資材を当該工事で活用するとしている場合は、具体の数量・活用方法等及び保管状況を写真等で確認するとともに、低価格との関連性について確認する。

【具体例】

① 仮設鋼矢板及び支保材、足場材、その他2次製品を活用する。

② コンクリート用型枠等を活用する。

③ 安全管理資材を保有している。

④ 当該工事に関連する手持資材の活用に優位性がある。

オ 資材の購入先及び購入先と当該入札者との関連

当該工事で使用する資材について、低価格での調達が可能としている場合、その根拠を、資材販売店等の作成した見積書により確認する。確認できない場合は、取引先の意向を確認する。

【具体例】

① 手形取引でなく現金決済による値引きが可能である。

② 系列会社又は協力会社からの取引が可能である。

③ 永年にわたり取引がある。

カ 手持工事機械及び使用予定機械の供給方法

当該工事において手持ちの建設機械等を使用するとしている場合は、所属等を証する資料等で確認する。

【具体例】

① 手持ちの建設重機械等の活用が可能であり、損料計上が優位にある。

② 資産焼却が終わっており、損料が不要となる。

③ 系列会社からの取引又は永年にわたり取引がある。

キ 労働従事者等の具体的供給方法

労働従事者の確保計画及び配置の内容について、以下の調査を行う。

(ア) 労働従事者について、確保計画及び配置予定によって適切な施工が可能であるかを確認する。

(イ) 労働従事者について、自社の者を従事させることとなる場合には、名簿の提出を求め、雇用関係の確認を行う。

ク 下請先及び下請内容

下請業者を予定している場合は、予定している施工体制台帳、施工体系図、下請業者の見積書及び下請業者の確認書の提出を求め、下請に係る見積額が入札金額の積算内容に正しく反映されているか、及び下記の点について確認する。

(ア) 下請業者が提出された金額で契約する意思があること。

(イ) 当該金額が建設業法(昭和24年法律第100号)第19条の3の規定に違反する不当に低い請負代金でないこと。

以下の場合には、その理由を記載した書類等の提出を求め、これに基づき詳細な調査を行うとともに、必要に応じて下請業者に内容の聴取を行う。

(ウ) 下請業者の見積金額が入札金額の積算内訳に適切に反映されていない場合

(エ) 下請業者の見積書等の工事内容(規格、工法及び数量等)が明確でない場合

(オ) 下請業者の資材単価、労働単価又は市場単価について、発注者の単価に比し相当程度低いと認められる場合

ケ 過去の町発注工事名及びその工事成績

内容について以下の調査を行う。

(ア) 過去に施工した2~3例の町発注工事(町発注工事を施工していないときは、その他の公共工事)について、その契約書、施工体制台帳、完成検査結果通知書等及び請負代金内訳書の提出を求め、内容の確認を行う。

(イ) 町発注工事において低入札受注工事の実績がある場合は、当該工事について、ア~クの内容を確認するとともに、工事成績を調査する。

コ 経営状況

(ア) 直近の審査基準日の経営事項審査結果通知書により、自己資本額、経常利益額、完成工事高等を調査し、工事を施工する能力があるか、及び経営状態が著しく悪化していないかを確認する。

(イ) 信用調査機関における信用報告の有無について確認する。

サ 建設副産物の搬出地

内容について以下の調査を行う。

(ア) 建設副産物の搬出予定地や処理体制等が特記仕様書に合致しているかを確認する。

(イ) 適正な処理を行っている搬出地を選定しているか(処理価格を含む。)を確認する。

(3) (1)で提出された書類に基づき、当該入札者から聴取し、低入札価格調査書(別紙2―2~2―4)を作成し、低入札価格調査結果審査申請書(別紙5)に意見を付し、低入札価格調査委員会へ報告するものとする。

(4) 調査対象者が、調査を拒否し、又は協力しない場合は、契約内容に適合した履行がされないおそれがないことが証明されないことから、この場合は、「当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがある」に該当するものである。

8 低入札価格調査委員会

低入札価格調査委員会は、担当工事課長等が作成した低入札価格調査結果審査申請書(別紙5)及び低入札価格調査書(別紙2―2~2―4)を審査の上、契約の適否を決定する。

9 合理的な理由があると認められる基準

合理的な理由があると認められる場合は、次のすべてに合致する場合とする。ただし、具体的な施工が困難と判断される理由又はその心証が得られなかった場合は、当該入札者と契約しなければならない。

(1) 経営状況が危険でないと判断されること。

(2) 工事費内訳書及びその内容の聴取により、資材、建設機械及び労働従事者の供給が著しく困難とは認められないこと。

(3) 手持ち工事量等の状況から受注意欲の高さに合理的理由が認められること。

10 適正な履行が行われると認められる場合の措置

当該入札価格によっても契約の内容に適合した履行が行われ、かつ、公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがないと認めたときは、直ちに当該最低価格の入札者を落札者と決定し、その旨を別紙4を参考として入札参加者全員に通知する。

11 適正な履行が行われると、認められない場合の措置

当該入札価格によっては契約の内容に適合した履行がされないおそれがあり、又は公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがあって著しく不適当であると認めたときは、次順位者を落札者とする。ただし、次順位者が基準価格未満の入札をしていたときは、同様の措置を講ずること。

12 次順位者を落札者とした場合の措置

次順位者(低入札価格調査委員会により適正な履行が行われると認められた者又は予定価格の制限の範囲内の価格をもって申込みをした他の者のうち、最低の価格をもって申込みをした者)を落札者とした場合は、その旨を入札参加者全員へ通知するものとする。

13 調査結果の概要の公表

(1) 契約担当課長は、契約締結後、別紙2―4及び別紙5により調査結果等の概要を公表するものとする。

(2) (1)の公表は、契約担当課の所定の場所において、閲覧に供することにより行うものとし、その期間は、公表した日の翌日から起算して1年間が経過する日までとする。

14 監督体制

調査の結果、調査対象者が落札した場合においては、契約後、次に掲げる措置をとるものとする。

(1) 施工体制台帳の提出及び内容の聴取

担当工事課長等は、調査対象となったすべての建設工事について、施工体制台帳の提出に当たり、必ず請負業者の責任者からその内容について聴取を行うものとする。

(2) 施工計画書の提出及び内容の聴取

担当工事課長等は、調査対象となったすべての建設工事について、施工計画書の提出に当たり、必ず請負業者の責任者からその内容について聴取を行うものとする。

15 留意事項

(1) 調査対象者が施工体制台帳及び施工計画書を提出しない場合等

調査対象者が、施工体制台帳及び施工計画書を提出せず、若しくは内容の聴取に応じず、又は提出した施工体制台帳及び施工計画書に違反した場合は、契約違反となるため、別に定める指名停止措置要件に該当するものである。

(2) 調査対象者が低入札価格調査実施後に当初の予定にない下請契約を締結した場合

調査対象者が、低入札価格調査を実施した後に当初の予定にない下請契約を締結した場合は、下請契約を締結した理由を文書で提出させ、下請業者から確認書(別紙3)の提出を求めて7(2)クの(ア)及び(イ)について確認する。

(3) 低入札価格調査書の記載内容

低入札価格調査書(別紙2―4)及び低入札価格調査結果審査申請書(別紙5)の公表に当たっては、施工体系図に記載を要しない取引業者名、下請金額、下請工事成績及び信用情報の部分を除いて、公表するものとする。

附 則

この訓令は、平成17年3月31日から施行する。

附 則(平成20年10月28日訓令第7号)

この訓令は、公布の日から施行する。

附 則(平成21年6月19日訓令第6号)

この訓令は、平成21年6月19日から施行する。

附 則(平成22年4月30日訓令第1号)

この訓令は、平成22年5月1日から施行する。

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東北町低入札価格調査制度運用規程

平成17年3月31日 訓令第33号

(平成22年5月1日施行)

体系情報
第10編 設/第1章
沿革情報
平成17年3月31日 訓令第33号
平成20年10月28日 訓令第7号
平成21年6月19日 訓令第6号
平成22年4月30日 訓令第1号